2009年4月29日水曜日

豚インフルエンザに関する最新情報

豚インフルエンザパニックが日本においても現実のものとなりつつあります。
世界保健機関(WHO)は同問題にかかる緊急委員会を開催し、ついに恐怖の「フェーズ4(世界警戒水準4)」を発令しました。
フェーズ4」の発令は、人から人へ感染する新型インフルエンザの誕生を意味する為、爆発的な感染拡大につながる可能性をも示唆するものです。
ここ数年、政府は新型インフルエンザ対策をそれなりにやってきましたが、備蓄したプレパンデミック(大流行前)ワクチンはあくまでも鳥インフルエンザを想定して用意されたものであり、ほとんど効かないと見たほうがいいでしょう。
今後、新型インフルエンザ対策は大きく変更する必要があるのですが、もしこのままの勢いで豚インフルエンザがパンデミックの事態を迎えたら、政府にできる事は少ないのではないでしょうか。
政府は、鳥インフルエンザ「H5N1型」由来の新型インフルエンザでパンデミックが発生した場合、日本でも約3200万人が罹患し、最大で約64万人が死亡する可能性があると想定していた為、「H5N1型」に対するワクチンの製造・備蓄は進めていました。
しかし、このワクチンもH5N1型以外のウイルスには無効とされており「今回の豚インフルエンザは、政府にとって、まさにその『想定外の事態』なのです。
ウイルスの型が違っても、ある程度は効果が見込めるとされてきたのがタミフル、リレンザ等の抗インフルエンザ薬。
政府はこの備蓄も進めていましたが、「近年、タミフルの効かないウイルスが現れて信頼が揺らいでいた上に、豚インフルエンザにどの程度効くのか不安視する声も出始めています。
仮に効果が望めるとしても、日本の備蓄は3380万人分しかなく、日本人全員に配るにはほど遠い」という状態です。 
そもそも日本の新型インフルエンザ対策は大きく遅れていたのです。
政府の対応もお粗末で尚且つ今から対応するには期間が短すぎる為、これまでの政府見通しである『日本全国で最大64万人の死者』という数値も上方修正されるかもしれません。

鳥インフルエンザに関する最新情報

いま発生が懸念されている鳥インフルエンザは鳥類の中で流行している鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)が変異したタイプの新型インフルエンザです。
このH5N1型のウイルスは「強毒型」と呼ばれ極めて毒性が強く、家禽類、例えばニワトリなら1~2日でほぼ100%死に至らしめます(家禽ペストとも呼ばれます)。
わが国では京都府(2004年)や宮崎県(2007年)で起きた鳥インフルエンザ事件(養鶏の大量死)がこれに該当し、私たちの記憶に新しいところです。
これらは迅速な対応により感染拡大させることなく終息しましたが、、最近では新たに東北、北海道で渡り鳥の感染事例が報道されました。
鳥インフルエンザは現在世界中に拡大する一方で、鳥の世界だけでなく人への感染事例が報告されています。
感染した鳥を素手で触ったり、感染死亡した鳥の羽をむしったりすることで大量のウイルスを吸い込み感染したものと考えられています。
現段階ではこのウイルスは鳥から人へのまれな感染事例にとどまっており人から人へと感染が拡がりはじめたという状況にはありません。
しかし、これが人から人へ効率よく感染するよう変異を遂げたとき、新型インフルエンザの発生となるのです。
WHOをはじめとして、多くの専門家たちは、この新型インフルエンザが発生するのは「起きるかどうか」ではなく「いつ起きるか」だと考えています。

2009年4月28日火曜日

■新型インフルエンザの基礎知識~人類を脅かす恐ろしい感染症

新型インフルエンザは通常のインフルエンザとはまったく違うタイプのインフルエンザです。
新型インフルエンザとは動物のインフルエンザウイルスが人に感染し、人の体内で増えることができるように変化して人から人へと効率よく感染できるようになったもので、このウイルスに感染して起こる疾患が「新型インフルエンザ」です。
この新しいウイルスがいつ出現するのかは誰にも予測することはできませんが、人類にとって未知のウイルスであり誰も免疫を持っていないので容易に人から人へ感染して拡がり、急速な勢いで世界的大流行(パンデミック)を起こす危険性があります。
このような新型インフルエンザは、20世紀の間に3回発生しましたが、いずれも世界的に大流行し、時に多くの死亡者を出しました。
新型インフルエンザは、これまで10年から40年の周期で発生しており、いままさに次の新型インフルエンザが発生する可能性が高いとしてWHO(世界保健機構)などから警告が発せられています。
今後新型インフルエンザが流行した場合に、どのくらいの被害が発生するかについて、国では日本の人口の約1/4が感染し、医療機関を受診する患者数は最大2500万人、死亡者は最大64万人になると想定しています。しかし、最近の厚生労働省の発表では、これは過去のデータを基に推計したものであり、今後発生が懸念されている新型インフルエンザウイルスがどの程度の感染力や病原性を持つかは不明であることから被害が想定を上回る可能性もあるとしています。